
Meet Julita
紙を重ねて、見慣れたかたちを新しく
ドイツのミュンスターを拠点に活動するアーティスト、デザイナー。花や葉、貝殻などをシンプルな形で表し、落ち着いた色と紙のような質感を組み合わせた作品が特徴です。紙のコラージュを軸に、インテリアブランドとの協業も手がけています。
Julita Elbe(ユリタ・エルベ)は、ポーランドのワルシャワで生まれ育ちました。ミュンスターの応用科学大学でデザインを学び、デザイナーとしてキャリアを築きながら、自身の作品制作にも取り組んできました。
写真から始まる制作

アートに親しむきっかけは、子どものころに父から贈られたイーゼルでした。写真家の父と一緒にギャラリーを訪ね、写真を撮ったり、絵を描いたり。アートやアーティストの本も読みながら、父から写真の基本や構図の考え方を教わりました。
今も、ユリタの制作の出発点は、自分で撮った写真です。目を向けるのは、見慣れているために見過ごしてしまう、自然や建築の細部。そこにある形や線をもとの風景から切り離し、新しい形として表していきます。普段は目に留まらないものを、改めて見てもらうことを目指しています。
紙を切り重ね、かたちをつくる

コラージュには、薄葉紙や手漉きのコットン紙など、質感の異なる紙を使います。薄い紙を丁寧に切って重ね、アクリル絵の具と組み合わせながら、一つの画面をつくっていきます。
紙ごとに異なる手ざわりや構造、色の見え方も、制作の重要な要素です。素材の多様さに加え、自分の手作業から思いがけない結果が生まれることも、ユリタがコラージュに惹かれる理由。紙でつくったコラージュは、デジタル作品を制作する際の土台にもなっています。

シンプルな形を求めて

さまざまなスタイルに刺激を受けるなかで、いちばん好きなのがバウハウスのすっきりとした線や規則正しいパターンです。イサム・ノグチが伝統と現代の要素を組み合わせて生み出した、有機的で抽象的な形にも惹かれてきました。
制作を重ねるにつれ、ユリタの表現はよりミニマルなものへと変わってきました。いま関心を寄せているのは、形を絞り込み、シンプルで明確なイメージをつくること。情報があふれる日々のなかで、作品を見る人にひとときの安らぎを届けることを目指しています。
ミュンスターでの暮らしと制作

自然や建築への関心は、暮らしているミュンスターという街ともつながっています。大聖堂のあるこの街は自然も豊かで、美術館やギャラリーが多く、自転車と学生の街でもあります。こうした環境も、ユリタの制作に影響を与えています。
制作を離れた時間には、夫や2人の息子と過ごすことを楽しみ、ひとりの時間にはヨガをします。
デンマークのインテリアブランドとの協業では、作品が吸音パネルのデザインにも採用されています。








