
Meet Raül
海辺の暮らしと旅を、1枚の絵に
スペインのマヨルカ島を拠点に活動するイラストレーター、グラフィックデザイナー。サーフボードを積んだ車やバンを、くっきりした線と黄や紺、オレンジなどの色で描く作品が特徴です。出版やファッション、商品デザインなど、さまざまな分野で活動しています。
Raül Casado(ラウル・カサド)は、地中海のマヨルカ島で生まれました。子どものころは授業中もノートに落書きをし、学校のあとには絵の教室へ通っていました。その後、イラストレーションやグラフィックデザインを仕事にしていきました。島の浜辺や山、光は、ものの見方や制作に影響し続けています。

サーフィンと旅が、絵の題材に
海への親しみも、小さいころから続いています。水泳を習い、夏の海で泳ぐうちに波に興味を持つようになり、12歳で初めてサーフボードを手に入れました。絵とサーフィンは、それぞれ子ども時代に始まり、その後の暮らしのなかで結びついていきました。
波を求めて、スペイン北部やカナリア諸島、インドネシア、モルディブなどへも旅をしてきました。サーフィンは、訪れた土地の人々や文化、暮らし方を知るきっかけにもなりました。
海と旅を主な題材にするようになったのは、SNSで作品を発表し始めたころ。サーフィンのあとに見た夕暮れの色を、家に帰って描くこともありました。日々経験したことが、そのまま絵の出発点になっていたのです。

日々の思いつきを、鉛筆の線に
トレーニングやサーフィンの最中に浮かんだイメージ、ラジオで耳にした一言。ラウルは、こうした小さなきっかけから、絵のアイデアをふくらませてきました。気になったしぐさや色、構図から描き始めることもあり、鉛筆を使って考えを線にしてきました。

制作に選ぶのは、光がやわらかい朝や夕方の時間。そばには、いつもコーヒーがあります。手描きの線やインク、水彩、アクリル、コラージュにデジタルの技法も組み合わせて、絵をつくっています。

少ない要素で、ひとつの場面を描く
車の屋根にとまる鳥、干したウェットスーツ、ギターやラジカセ。ラウルの絵には、車とともに、海辺や旅先の持ち物も登場します。犬が運転席に座るなど、現実にはない組み合わせも描いています。
構成する要素は慎重に選び、少ない線や形で場面を伝えます。描き込むものを絞るのは、見る人が自分の思い出や気持ちを重ねられる余地を残すためです。こうした描き方には、グラフィックデザインや昔のイラスト、地中海とサーフィンの文化が影響しています。

イラストレーションから広がる活動
ラウルは、絵のワークショップも開いています。周囲を観察してアイデアを集め、構図を考え、自分なりの一枚にするまでの過程を紹介。線や色、さまざまな素材を使いながら、完璧な仕上がりを求めすぎず、試していくことを参加者に伝えています。
ポルトガルのサーフ映画祭や地元のギャラリーで展示を行い、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本などの企業や個人とも仕事を重ねてきました。ポスターや服、サーフボード、パッケージ、壁画、陶器など、さまざまな形でイラストレーションを展開しています。

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